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これが車の中?! 広々ベッドに冷蔵庫まで、みんなの“車中泊スタイル”を大公開!

アイキャッチ画像撮影:三宅 雅也

フルフラットシートはもはや定番? 加熱する車中泊ブーム

撮影:三宅 雅也

昨今、車中泊は大きなブームになっています。

登山口駐車場での車中泊による前泊は、ずいぶん前から珍しいことではありませんが、近年、単に『仮眠を取る』から『熟睡する』へと、その車中泊のあり方・質が変化してきています。

アメリカ発祥の“VAN LIFE”というムーブメント

撮影:三宅 雅也(VAN LIFE -ソファ-)
撮影:三宅 雅也(VAN LIFE -ダイネット-)
撮影:三宅 雅也(VAN LIFE -ベッド-)

その要因のひとつに、アメリカ西海岸に端を発した“VAN LIFE”というライフスタイルがあります。

簡単に言えば“車上生活”なのですが、せっかく暮らすなら、よりお洒落によりオリジナリティを、とDIYをメインに楽しみを求めた結果、単なる車上生活以上のスタイルへと昇華していきました。

このムーブメントが日本でも徐々に広がりを見せ、昨今のアウトドアブームも重なり、カーメーカーも車中泊を視野に入れた車両を販売。後部座席がフルフラットになる、なんて車両も今では珍しくなくなってきました。

キャンピングカーまではいらない。けど快適に眠りたい!

撮影:三宅 雅也(筆者自作の軽ワゴンベッド)

そうなると当然、我々ハイカーの車中泊の仕方も変わってくるというもの。前泊してしっかりと眠り、休息を取って登山に臨めるというのは、安全面の観点からもそのメリットは大きいですよね。

「キャンピングカーほどの本格的な車はいらないけど、快適に眠ることができたらなぁ…」

いざ突撃、みんなの移動式お宅を拝見!

では実際に登山口の駐車場で車中泊をしている人たちは、はたして熟睡できているのでしょうか。いったい車内がどうなっているのかも気になりますよね。

そこで今回、突撃取材を敢行!5組のハイカーさんに車の中を見せてもらいました。車中泊の良さや気をつけていることも聞いてみましたよ。

①軽自動車でも快眠を実現 ~AKIさん&YOKOさん夫妻~

撮影:三宅 雅也 (菅平牧場登山者Pにて)

まずは静岡から参戦、AKIさん&YOKOさん夫妻。

[車両]ホンダ N-Box+

[登山歴]7~8年
[登山頻度]2~3回/月
[よく行く山域]蓼科、甲武信ヶ岳、男体山など。長期休暇は北アルプスや四国などの遠方へ遠征。
[車中泊歴]7~8年

 

撮影:三宅 雅也(200cm×100cmの就寝スペース)

早速気になる車内を見せてもらうと、軽自動車とは思えない広い就寝スペースが! 夏用のひんやり寝具が持ち込まれ、なんとも快適そう。

N-Box+は、フルフラットのベッドモードが標準搭載なのだそう。(当該モデルは2017年8月に販売終了)

床下収納/close

撮影:三宅 雅也(収納CLOSE)

床下収納/open

撮影:三宅 雅也(収納OPEN)

さらにザックなどの登山ギアを入れられる大容量の床下収納も。荷物の収納力は車中泊時には重要な課題となりますので、最初からこれらが仕様に組み込まれているなんてとてもありがたいですね。軽自動車を感じさせない収納力です。

撮影:三宅 雅也

その他、安眠と防犯のためのポケット付き目隠しシェード、すぐ手の届くところにティッシュや飲料水、ハンガーラックなど利便性を上げる工夫がいっぱい。

AKIさん&YOKOさん

車中泊の良いところは、なんと言っても天気次第で自由気ままに行き先を決定・変更できること。また、道の駅スタンプラリーもやっていて、登山だけでなく+αの楽しみもできることですね。

気をつけていることは、夜着が多いため、ほかの方の迷惑にならないよう速やかに寝るようにしています。それとアイドリングはしないこと。また、自車スペース以上の場所を使わないことです。

お二人ともとてもマナー良く車中泊を楽しまれていることが伝わってきました。

②DIYで仕上げた快適空間+広々ベッド ~MYKさん~

提供:MYKさん(八ヶ岳界隈のキャンプ場にて)※リモート取材

続いては千葉県のMYKさんの車中泊仕様をご紹介。

[車両]三菱 デリカ D5

[登山歴]9年
[登山頻度]3回/月
[よく行く山域]北アルプス、東北、奥秩父、丹沢
[車中泊歴]6年

 

提供:MYKさん

こちらはまたさらに広々とした就寝スペースが!車両サイズが大きい分だけ、ベッド幅もかなりありますね。

この厚手銀マットの目隠しシェードは、ホームセンターで材料購入して手作りされたもので、冷気遮断効果もあるそう。

提供:MYKさん

さらに天井のワイヤー棚設置もご自身のDIY。目覚まし時計やスマホ置き、ランタン掛けなど大活躍だそうです。

収納力を向上させる工夫は山ヤにはお手の物かもしれませんね!

提供:MYKさん

収納力と言えば、こちらも床下に大きな収納スペースを確保しており、たくさんの登山ギアを積み込むことができます。

MYKさん

車中泊の良さは、4~5泊の遠征でも天気予報を見ながら気軽に登る山を変えられることですね。また、体調不良や急なアクシデントでもフレキシブルにプラン変更できることが魅力です。それに、温泉やローカルフードなども楽しめますし、幅広い便利さがありますよね。本当に自由です。

夜中に到着する時は、ほかの方に配慮してライトは暗く、大きな物音を立てないよう気をつけています。また、SAやPA、道の駅などでの仮眠時は、邪魔にならないよう隅に停め、ゴミは必ず持ち帰るようにしています。

やはりMYKさんもマナーには十分配慮して車中泊しているようです。

③山ギアを活用したおひとりさま仕様 ~nikoさん~

撮影:三宅 雅也(ふもとっぱらキャンプ場にて前泊し翌日登山)

続いては、愛知県からお越しのnikoさん。

[車両]トヨタ シエンタ

[登山歴]10年
[登山頻度]3~4回/月
[よく行く山域]あちこち
[車中泊歴]1年ちょっと

 

撮影:三宅 雅也

nikoさんは主にソロで車中泊をしており、テント泊時に使用するマットを活用した山ヤ仕様。

床下収納はありませんが、片側に就寝スペース、片側に荷物という、まるでテント内のようなレイアウト。これはハイカーにとっては使い勝手が良さそうですね!

撮影:三宅 雅也

かつ、クーラーボックスやギアコンテナはそのままテーブルにもなるという利便性の良さも。車中泊時は、ここで食事をしたりコーヒーを飲むのだそうです。ワクワクしますよね!

撮影:三宅 雅也

そしてギアコンテナ内には満載された登山ギア。なんとも山ヤらしい山女子さんですね。

そんなnikoさん、女性でソロのため、防犯も兼ねて目隠しシェードでしっかり全面遮断するように気をつけているとのこと。また、SAやPA、道の駅などで駐車場が狭いところでは、仮眠でも泊まらないように配慮されているよう。nikoさんもマナーには配慮していますね。

nikoさん

眠くなる前に目的地まで移動できればベストですけど、眠気に襲われて仮眠しても、目的地近くまで移動できているから翌日が楽。そんなところも車中泊の良さ。

それと宿を取る必要がないので、行動に制限がなく自由なところも魅力です。

なるほど、目的地まで到着できなくても、出発地よりはずいぶんと近づいているはずなので、確かに翌日が楽ですね。

④2人仕様時々ソロ。ふかふかマットで熟睡 ~elyさん~

撮影:三宅 雅也(ふもとっぱらキャンプ場にて前泊し翌日登山)

さて、次は東京からお越しのelyさん。前出のnikoさんの友人で、翌日はそれぞれ別の山へソロハイクとのこと。なんとも山ヤらしいですね!

[車両]トヨタ ノア

[登山歴]9年
[登山頻度]約4回/月
[よく行く山域]高尾山(早朝エクストリーム)、アルプス全般、唐松岳、八ヶ岳
[車中泊歴]8年

 

撮影:三宅 雅也

ミニバンのため、こちらもベッドが広いですね!クッションや毛布、シーツなどが持ち込まれており、家庭用寝具を利用しているため、寝心地はかなり良さそうです。

撮影:三宅 雅也

また、母親とも登山の前泊で車中泊をするとのことで、2人分の就寝スペースが確保されています。

さらに寝心地を追求し、車中泊専用の10cmもの分厚いウレタンマットレスを導入。しっかり睡眠を取って万全の体調で登山に臨んでいるようです。

撮影:三宅 雅也

こちらも収納は大容量。10日前後の長期車中泊旅へも行くため、そんな時にスマホやタブレットを充電できる大容量ポータブル電源を積み込んでいます。長期になればなるほど、荷物と電源は重要になりますので、そのあたりの対策もばっちり取られていますね!

elyさん

車中泊の最大の魅力は、なんといっても時間に縛られることのない自由さ!さらに宿泊費が掛からないのもすばらしい!公共交通機関や宿泊等、天気や急な都合によるキャンセル料の心配が一切ないことは気楽です♪

車中泊時は、車中泊がOKかどうか、温泉やコンビニが近隣にあるかなど、登山同様しっかり下調べをして出掛けます。後は防犯上の問題ですね。ソロのことも多いため、要らぬトラブルに巻き込まれないよう注意を払っています。

しっかりとしたマイルールに基づき車中泊を楽しんでいるようです。

⑤扇風機に冷蔵庫まで!車中泊上級者ご夫婦 ~IZAK夫妻~

撮影:三宅 雅也(菅平牧場登山者Pにて)

最後に埼玉からお越しのIZAK(アイザック)夫妻。ご主人、なんと車中泊歴20年のベテランです!

[車両]ホンダ ステップワゴン SPADA

[登山歴]ご主人:9年/奥さま:7年
[登山頻度]1回/月
[よく行く山域]入笠山、東北方面+温泉(とにかく温泉好き)
[車中泊歴]ご主人:20年(北海道の車中泊旅からスタート)/奥様:7年

 

撮影:三宅 雅也

こちら、専用ベッドキット設置のうえ、家庭用寝具(ひんやりジェルマット)で見るからに快適そう。さらにグリーンなどを取り入れてデコレーションし、インテリア性をあげていますね!手前にぶら下がったハンガーなど、しっかりと使い勝手も工夫されていそうです。

大容量収納

撮影:三宅 雅也(特大の収納量!)

冷蔵庫

撮影:三宅 雅也(冷蔵庫にはキンキンに冷えたビール)

Chill-out

撮影:三宅 雅也(充実ぶりが伝わってくる)

ポータブル電源を積んでおり、なんと冷蔵庫と扇風機まで搭載されています。夏の車中泊でのキンキンに冷えた缶ビールはさぞ最高でしょうね!

撮影:三宅 雅也

気になる収納ですが、二段の上部収納棚+ハンギングバーが設置されており、収納力バツグン。設置バーは温泉後のタオル干しに大活躍するのだそう。ご夫婦で趣味の登山と温泉三昧だなんて最高ですね。

IZAKさん

車中泊は登山+旅を兼ね合わせていています。基本的に登る山以外のことは一切決めず、ざっくりと旅の方角を決めるだけ。山も天気次第で臨機応変に変更しています。車中泊で飲むビール、そして、起きてすぐに行動ができる自由さは本当にすばらしいです!

缶ビール片手に満面の笑みで力説するIZAKさん。
そのすばらしさ、充分に伝わってきます!

IZAKさん

でも、昨今の車中泊ブームでマナーが気になってます。一晩中アイドリングしていたり、大量のゴミを放棄していったり、トイレで食器を洗ったりなど目に余る行為が散見されています。今後、大きな社会問題になりそうで心配です…

表情を曇らせビールを煽るIZAKさん。
そうですね、私も車中泊歴が長いため同様の心配をしています。詳細は後述しますが、モラルとマナーはしっかり守らないといけませんね。

それにしても、皆さんそれぞれ車中泊で得られる恩恵を思う存分堪能していますね!そしてこの取材をとおして、皆さんが共通して感じているものがはっきりと見えてきました。

車中泊で得られるもの、それは…

車中泊の魅力は真の自由

出典:PIXTA

今回、登山前泊の車中泊をエンジョイされているハイカーさん5組にお話しをうかがいましたが、皆さん口を揃えて出てきた車中泊の魅力…それはこの一文に尽きます。

真に自由であること

登山と天気は切っても切り離せない関係ですが、登山計画と天気は必ずしも一致しません。そんな時、天気図を見て自由気ままに行き先を変更でき、しっかり睡眠を取ってから登山できるのです。

さらにエンジョイできる後泊!

撮影:三宅 雅也(たっぷり疲労したあとのビールは最高!)

また、私が考える最高の車中泊シーン、それは登山後の後泊です!

下山後、日帰り入浴される方は多いと思いますが、その後すぐにキンキンに冷えたビールを飲みたくなりませんか?

また、最高だった今日1日の登山を振り返り、その余韻を楽しむために「まだ帰りたくない!」と思ったことはありませんか?

または、「登山でクタクタなのに長距離運転したくない!」など…。

仮眠しかできない車なら早く帰ってベッドで寝たいと、がんばって長距離を運転し、いつの間にか登山の余韻はかき消されてしまいます。

でもせっかくなら、登山の充足感に満たされながらビールを楽しみ、山の麓で余韻を楽しみ、翌日は観光を楽しみながら帰っちゃう、なんて贅沢プランはいかがでしょうか!

気をつけたい車中泊時のマナー

出典:PIXTA/加工:三宅 雅也

魅力の多い車中泊ですが、気をつけていただきたいのは「車中泊時のマナー」です。

車中泊は自由であるからこそ個々人のモラル・マナーが重要です。考え方として登山同様、「自己完結」を考えてみてください。

「ゴミは持ち帰る」「トイレで洗い物はしない」etc…

山では当たり前のことを車中泊でも当てはめてみると、ある程度は見えてくると思います。

ちなみに、道の駅での車中泊は法的にグレー

撮影:三宅 雅也

登山口駐車場と道の駅では別の意識を持ちましょう。

・道の駅はあくまで「仮眠」する場所
・車中泊禁止を明示している道の駅もある
・家庭ゴミを廃棄しない
・トイレで洗い物をしない
・駐車枠をまたいで駐車しない
・テーブルや椅子を出してキャンプ行為はしない
・BBQなど火気を使用しない

しっかりマナーを守れば、登山×車中泊は「真の自由を手に入れられ、登山の楽しさを何倍にも増幅できる!」ということが伝わってきたのでは。(ちょっと大袈裟でしょうか?)

自作ベッドDIYに興味のある方はこちらもチェック!

撮影:三宅 雅也

なお、筆者ウェブサイトで材料準備から作り方まで詳細を紹介していますので、ベッドの自作に興味がある方は参考にしてみてください。

山グルイ・旅グルイ

この記事が皆さんの車中泊化、またはその向上のお役に立てば幸いです。

それでは皆さん、どうぞ良いハイクを!

取材・文 三宅 雅也(山岳ライター/長野県自然保護レンジャー)

Source: YAMA HACK




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